24vol.アスリートのために、プロフェッショナルがタッグを組んで医療にあたるUser Reportスポーツ整形外科部長 高森 草平 先生念「Athlete-Centered SPORTS MEDICINE」に集約されています。ひとりのアスリートを治療するときには、総合内科医、PT、AT、そして婦人科や小児科のスタッフなど、さまざまなスペシャリストが連携し、同じ立場で発言できることが大切です。責任を持つのは医師ですが、関わるすべての人たちのベクトルはアスリートへ向いている。これが、当センターが追求する姿勢です。中田先生:アスリートの背景までを考慮して、ベストな治療方針を選択する。高森先生のそんな「アスリートファースト」の考え方に、以前から強く共感していました。その考えが主軸なので、スポーツ総合診療センターでは、内科的側面も含めてアスリートをトータルサポートできる。この点が、当センターの特徴でありメリットだと思います。―「 Athlete-Centered SPORTS MEDICINE」のアプローチについて、詳しく教えてください。高森先生:手術をしたら終わりではなく、アスリートのことを最後まで診る。長い治療期間中、それぞれのフェーズによって主となるスタッフは異なります。リハビリテーションにおいては、PTの先生がいちばん効果的な方法を理解しているはず。最終ゴールを話し合いながら、良いと思った方法を積極的に取り入れてもらっています。― スポーツ総合診療センター創設の経緯や理念について教えてください。高森先生:私がスポーツ総合診療センターに着任したのは、湘南鎌倉総合病院の小林修三院長の、「スポーツには総合診療が不可欠だ」という考えと、私が長年指針としてきた「アスリートを中心に据えた医療」への思いがぴたりと合致したからです。ラグビー日本代表チームに帯同したり、ニュージーランドに医学留学したりした際、海外のスポーツ医の多くはGP(ジェネラルプラクティショナー)であることを知りました。例えば日本では、足を捻挫したら整形外科に行きますが、海外ではまず多様な医療ニーズに対応できるGPを訪ねるのが一般的。スポーツ医学の問題は、整形外科の知識だけでは解決しません。スポーツ医=整形外科医という枠にとらわれない、「スポーツ総合医療」という考え方が重要だと実感しました。私たちの思いは、当センターが掲げる理アスリートの身体をトータルで診ることで、より適切なタイミングでリハビリテーションを取り入れられる湘南鎌倉総合病院 スポーツ総合診療センター様アスリートファーストの医療を。医療のプロたちが多面的に「総合診療」を実践する未来を目指す。01
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