28vol.ご利用者の自立を促し、毎日にゆとりが生まれるケアを目指すUser Report施設長 前田 重人 様う、インカムや介護見守りシステム等のICTツールを駆使して、従来型とは全く異なるケアの方法をつくりあげている最中です。正直まだ手探り状態ですが、理想のケアの実現を目指して、日々奮闘しています。―酒井医療の入浴装置を導入された理由を教えてください。前田施設長:当法人の理事長からは地域の皆様やご利用者はもちろん、スタッフを大切にしてほしいと、強く言われています。スタッフにとって大きな負担となる入浴介助のストレスを極力減らしたいと思い、シャワー浴のアラエルを導入しないかと提案しました。アラエルなら、入浴する際にご利用者の足を持ち上げたり、支えたりする必要がありません。スタッフからは当初、「今まで通り、お湯に浸かるタイプの浴槽にしたい」という声もありましたが、本当にシャワーだと身体が温まらないのかを皆で体験した結果、お風呂の快適性を失わず、介助の負担を減らせる浴槽はアラエルだという結論に至りました。アラエルを各ユニットに1台ずつ、全5台設置するにあたり、より効率的に介助できるよう、スタッフが手すりや扉の位置を検証しました。―施設の特徴や目指されているサービスについて教えてください。前田施設長:当施設は、2024年4月に小学校跡地に移転しました。建築計画を検討し始めた頃、法律の改定があり、特養の個室ユニット定員が、1ユニット「おおむね10人以下」から「15人以下」に緩和され、今後はこういった方針が国のスタンダードになるだろうと想定し、移転を機に従来型から定員15人のユニット型に変更しました。その際、皆には「施設のスタッフは何もしていないように見えるようなケアを実現しよう」と提案しました。ご利用者自身ができることはしていただく。そして、その能力をどんどん伸ばしていただく支援を行う。そうすればスタッフのゆとりも増え、ご利用者とゆっくりと話をしたり触れ合う時間を増やすことができ、直接介護はあまりしていないようにみえる。このようなケアをスタッフと共に目指しています。長島主任:スタッフ数は以前と同じですが、ユニットとなったことに伴い、限られたスタッフでも安心して見守れるよお風呂の快適性を失わず、スタッフの負担を減らせる浴槽がアラエルだった社会福祉法人 北星会 特別養護老人ホーム 与謝の園様従来型から定員15人のユニット型に。ご利用者、スタッフ双方にとって快適なケアを、新たな機器を駆使して創り出す。03
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