Advance Sports & Rehabilitationアスリートの明日へ踏み出すチカラと、
それを支えるチカラ。
世界基準を目指すチームを支える、
世界基準のトレーニング環境。

ジャパンラグビートップリーグ/ラグビーチーム

サントリーサンゴリアス

サントリーサンゴリアスは、日本ラグビーの最高峰リーグ「TOP LEAGUE」に加盟するラグビーチームの一つ。1980年の創部以来、これまでに獲得した全国タイトルは計13回。2017-2018シーズンにはトップリーグと日本選手権を制覇し、2年連続2冠という偉業も達成している。今回はそんなリーグ屈指の強豪チームを環境面からサポートするトレーナーの小川秀治氏と鈴木伸行氏、そしてチームの主力として活躍するFB塚本健太選手、SO田村煕選手の二人に、理想のトレーニング環境やアスリートをサポートする環境づくりへのこだわりについて話を聞いた。

サントリーサンゴリアス
写真=大野勲男・奥富義昭 インタビュー・文=石川遍 2019/06/12

今、世界で一番良いものを選手たちに提供する。

サントリーサンゴリアスが掲げるスローガンは、何事も「世界基準」であること。チームの環境づくりにおいてもそれは徹底されている。東京都府中市にあるチームのクラブハウスには、豊富なウエイトトレーニングマシンやフリーウエイト設備をはじめ、目的に応じて適切な治療がすぐに行える物理療法機器が整備されていて、2年ぶりの王座奪還を目指す選手たちの体作りを支えている。
「世界のトップチームでどんなものが取り入れられているのか、何が効果的とされているのかはいつもチェックしています。選手に、今、世界で一番良いものを提供するのが自分たちの役目。チームの外国人選手などにも積極的に話を聞くようにしていますね」。そう話すのは、現在、チームのヘッドトレーナーを務める小川秀治氏。
チームの外国人選手といえば、サンゴリアスでも先日、オーストラリア代表CTBサム・ケレビ選手が新たにチームへ加入することが発表されたばかりだが、日本の国内リーグでワールドクラスのビッグネームが活躍しているのもラグビーの特徴だ。彼らから学ぶことは少なくないという。
同じくチームのトレーナーを務める鈴木伸行氏も、「自分は8年前からチームに携わっていますが、選手たちだけでなく選手を支える環境も、年々、よくなってきていると自負しています」と続ける。

クラブハウスの玄関では公式マスコットの「サンゴリアス君」がお出迎え。壁一面にはサンゴリアスで100キャップを達成した歴代選手が並び、ショーケースには獲得したトロフィーなどが所狭しと並べられている。

充実した施設環境が、アスリートの意識を変える。

スピード感あふれる走りを武器にチームのバックスとして活躍する塚本健太選手が、普段からよく使っていると話すのが、アイシングマシンだ。
「若い頃は全く怪我をしなかったので、実を言うとストレッチもちゃんとしてこなかったし、アイシングもほとんどしたことがなかったんです。しかし今の環境に身を置くようになってからは段々とそれらの大切さを理解するようになりました。なかでも気に入っているのがアイシングマシン。疲れが酷いときなどに足に当てて疲労回復に役立てています。また、肉離れなどの怪我をした際も、足の広い範囲を一度に圧迫しながらアイシングできるため、特に急性期に炎症を抑えるのに便利。すぐに冷やせるだけでなく、氷の補給や低温火傷の心配をせずに長時間使用できるので、怪我の治りも早くなったと思います」と塚本選手は話す。

一方、2017年にチームに加入し、ラグビーでは一番華のあるポジションとも言われるスタンドオフとして活躍する田村熙選手は、学生時代、最後の試合で肉離れを起こしたことをきっかけに、自分の体と真剣に向き合うようになり、治療器などにも関心を持つようになったという。「最初に肉離れを起こしたときはサポートしてもらえる環境も整っていなかったので、原因がわからず、どのようなケアをすればいいかも全くわかりませんでした。結局それで治りが悪くなってしまい、しばらくは無理に練習をして逆に筋力やパフォーマンスを低下させるという悪循環を繰り返していました。そのときにずいぶんと苦労した結果、ようやくなんですが、100%の状態で練習に臨むことの大切さ、そして日々のコンディショニングやリカバリーの重要性に気づかされました」と田村選手は話す。現在は、練習後に必ず自分でストレッチを行い、そのあとトレーナーに筋肉をほぐしてもらった後、気になる箇所がある場合は、10〜20分程度、ラジオ波で足を温めるという入念なケアを行っているそうだ。それ以来、練習に支障をきたすような怪我はしなくなったという。「ラジオ波は素早く温めてくれるのが気に入っています。特に筋肉が固まってしまいがちな冬は練習前にもラジオ波を使うようになりました。しなやかで柔らかいといえばいいのかな。明らかに動きがよくなりますね」と田村選手は続ける。

また最近では、トレーナー陣から、足が張っている時に貼ることを勧められたKT TAPEも気になっているそうだ。「試しに貼ってみたら、確かに動きがよくなる気がして…。というと何だか効果が曖昧に聞こえるかもしれませんが、そんな風に思わせてくれるのがすでにもうすごいことだと思うんです。貼っても効果を感じないテープはいくらでもありますからね」と田村選手。塚本選手も、最近、チームの中で使用する選手が増えていて、なかには「足が勝手に動く!」と勧めてくる選手もいることから少しずつ興味を持ち始めているという。

自分で考え、自分で判断できる
自立したアスリートが育つ環境。

こうやって話を聞いていると、充実した施設環境がアスリートの意識を変えていったモデルケースのように感じるが、トレーナーの二人は、「といっても、ただ最新機器を導入すればいいというわけではない」と声を揃える。
「効果がありそうだと判断したら、とりあえず導入はしてみます。しかしすべての機器が、アイシングマシンやラジオ波温熱機器のように選手たちに受け入れられ、使われるようになるとは限りません。そのためサンゴリアスでは可能であればまずはレンタルで試す期間を設けるようにしています。そうすると、私たちも少し長いスパンで経過を観察しながら効果の程度を判断できますし、何より、選手たちの声を聞くことができる。やはり選手が自ら効果を実感し、自主的に使うようにならなければ、なかなか継続的には利用してもらえないですし、そうならなければ効果を得ることも難しくなりますから、選手の声を聞くことは本当に大事なんです」と鈴木氏が説明してくれた。

もちろんこうしたトレーナー陣の思いや考えは、選手たちにもはっきりと伝わっているようだ。
「サンゴリアスに所属していて、いつも有り難いと感じるのは、設備などが充実していることもそうですが、何より、体のことを相談できる優秀なスタッフたちがいつも側にいて、こうした最新の知識や情報を与えてくれること。そして、マシンや治療器を導入する際には、必ず選手の意見を聞いてくれるところです」と塚本選手。
ちなみに声を聞くときは、「誰か」の声ではなく、できるだけ「一人ひとり」の声を聞くように心がけているという。
「痛みの感じ方は個人によって異なりますし、それでどうしたいかもそれぞれ違います。チームの中で置かれている状況によっては、本当は痛みを感じているけれど今は頑張らなければいけない…と無理をしている場合だってあります。だから一人ひとりの声を聞くのが大事なんです。さすがにワールドクラスの選手と若手の選手とではコミュニケーションの取り方こそ異なりますが、選手を尊重するということに関しては何も変わりはありません」と小川氏。

サポートが充実しているので心強いというのはもちろん、各選手が自分で自分の身体のことを考えるきっかけとなる環境をつくること、それを大事にしているのがサントリーサンゴリアスの特徴であり、強みなのだ。選手の声に耳を傾け、一緒に考え、適切なアドバイスもして、しかし、最後の「やる・やらない」の判断は選手自身が責任を持てるよう本人に委ねる。そのあたりの絶妙なバランスが、選手の自主性を育てること、ひいては強いチームづくりに繋がっているのだろう。
「サントリーサンゴリアスは常に日本一であり続けないといけないチームです。だから私自身も、日本一のトレーナーを目指していきたいと思いますし、選手たちに、世界基準の環境だと思ってもらえるようなサポートをこれからも続けていきたいと思っています」と鈴木氏。
小川氏も「これからもこのチームで、自分で考え、自分で判断できる自立したアスリートが育っていってくれれば嬉しいなと思っています。そして、そんな彼らが選手を引退した後に、ふと自分のもとを訪ねてきてくれて、一緒に後進を育てる相談なんかができる関係を築ければ最高ですね」と笑う。

ジャパンラグビートップリーグ/ラグビーチーム

サントリーサンゴリアス

(さんとりーさんごりあす)

創立年1980年。本拠地は東京都府中市。サントリーの“サン”太陽の“SUN”と、巨人の「ゴリアス(GOLIATH)」が名前の由来。チームカラーはイエロー。
チームスピリッツ & スタイルに掲げるのは「PRIDE RESPECT NEVER GIVE UP」。“クラブ全員で戦う”“勝ちにこだわる”

※写真左より順不同
小川秀治(おがわしゅうじ)ヘッドトレーナー
塚本健太選手(つかもとけんた)フルバック
田村熙選手(たむらひかる)スタンドオフ
鈴木伸行(すずきのぶゆき)トレーナー

サントリーサンゴリアス 使用製品