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わかる!痛みのメカニズムと対処法

わかる!痛みのメカニズムと対処法

ヒトは痛みを感じることで、自分の体を正常に維持して外敵から身を守る。
一般に急に痛みが起こり短期間でおさまる場合は「急性痛」、3ヵ月以上と長く続く痛みは「慢性痛」とされる。急性痛は、その原因となるケガや病気が治れば消えていくものですが、痛みが生じたときに適切な治療をせずに、そのまま放っておくと痛みが増強したり、別の痛みを引き起こしたりしていわゆる慢性痛に変わる。
急性痛はおもに局所的かつ一過性であり、刺激と応答が直接的関係を示している場合が多い。一方、慢性期の痛みは単純な反射的感覚ではなく、心の動きや情動を伴った苦しみ、不安など、ヒトが「感じる」体験も影響するとされ、痛みの持続や関連痛などによる広範囲への出現する場合もある。
いずれにしても、対象者が表現する痛みは何らかの侵害刺激に対して身体が反応している状態、つまり身体組織の構造や機能が正常から逸脱していることを知らせるサインととらえることができる。したがって、反応として生じている痛みは、そのサインがどのような刺激によって出現しているのかよく検討する必要がある。
本コラムでは、痛みに対する近年の科学的な考え方を整理する。

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伊藤 俊一

痛みのメカニズムと対処法監修

伊藤 俊一 先生

北海道千歳リハビリテーション大学 副学長・教授
腰痛の理学療法(運動療法)、筋ストレッチング等に造詣が深く、腰痛に関する著書、講演多数。北海道理学療法士会理事、日本理学療法士協会調査部長を歴任し、また厚生労働省 集学的腰痛問題検討委員会委員、厚生労働省 介護予防マニュアル改訂委員等幅広く活躍している。
1985 年北海道大学医療技術短期大学部理学療法学科を卒業後、北海道大学医学部附属病院理学療法部、埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科教授、北海道千歳リハビリテーション学院学院長等を経て、2017 年4 月より現職。2005 年信州大学大学院工学系研究科生物機能工学後期課程卒業(学術博士)、2011 年より福島県立医科大学 特任教授。