入浴装置(介護浴槽)の選び方~押さえておきたい5つのポイント~

入浴装置(介護浴槽)の法定耐用年数は6年。 ご購入後、末永くご愛用いただくための「入浴装置の選び方」を紹介します。

POINT.1  想定するご利用者が入浴できるかどうか

「購入後、思っていたより利用者が入浴できなかった」という事もあります。
まずはじめに、対象となるご利用者の身体状況の想定を行いましょう。
介護浴槽にはご利用者の身体状況にあわせ3つのタイプがあります。

  • 仰臥位入浴
    ストレッチャーに乗り、寝たままの姿勢で入浴できる。身体機能が重度の方向け。

  • 座位入浴
    車椅子に乗り、座ったままの姿勢で入浴できる。自然な姿勢で入浴でき、入浴中の視界も広い。

  • ADL入浴
    個別浴槽にリフトなどのサポート機能を加えたタイプ。ご自身で浴槽縁をまたぐ動作等、リハビリを兼ねた入浴が可能。

ポイントは、将来まで見据え想定すること

導入直後は使えていた座位入浴装置が、重度化により入浴できないご利用者が増えてしまった・・・という実例もあります。
ご利用者の将来像をイメージしながら選ぶと、より末永くお使いいただけます。

POINT.2  入浴介護にどれだけスペースをとれるか

介護浴槽には大型/小型浴槽があります。

  • 大型浴槽

    【メリット】
    浴槽内寸が大きいため、ゆったり入浴できる。
    大柄なご利用者や姿勢制限のある方でも入浴しやすい。

    【デメリット】
    より設置スペースを必要とする。

  • 小型浴槽

    【メリット】
    コンパクトに設置できるため、スペースに余裕のない場合に適している。

    【デメリット】
    浴槽内寸が比較的小さいため、大柄な方や姿勢制限のある
    ご利用者の入浴には不向き。

入浴だけでなく、脱衣や洗身など、一連のプロセスで必要スペースを想定しましょう。

必要スペースについて検討する際、浴室内の入浴介助の想定だけでは不十分です。
居室(ベッドサイド)から脱衣場へと移動して脱衣、そして浴室へ移動して洗身・・・というように入浴介助のプロセス全体を想定しましょう。図面上で動線を確認したり、実際の製品で一連の動作を試す事でより具体的にイメージできます。

POINT.3  一週間(一日)、何人が入浴するか

介護浴槽によって、一日に入浴できる人数にも差があります。一般的にストレッチャータイプは2人1組での介助が多くなりますが、一日に大勢の方が入浴できます。一方、ADL入浴は大半の介助を1人でできるため個別ケアが実現できますが、1人あたりの入浴時間は長くなる傾向にあります。
1日(1週間に)何人を入浴させたいか、また、介助者は何人必要かを想定しましょう。
下図のようにプロセスを可視化すれば、より具体的にシミュレーションできます。

【入浴プロセス(ロベリアプラス 交互式の場合)】

POINT.4  入浴方法を考えてみる

入浴方法には「貯湯式」「新湯式」「シャワー式」の3タイプがあり、いずれの方法にもメリット・デメリットがあります。

  • 貯湯式
    湯を浴槽に貯め、殺菌や足し湯により清潔を保ちながら入浴する方式。湯量(≒水道料金)を節約することができる。大型浴槽に多い。

  • 新湯式
    入浴毎に湯を全量交換し、それぞれのご利用者に新しいお湯で入浴いただく方式。衛生面には優れるが、湯量(≒水道料金)は多い。湯量節約の観点から浴槽内がコンパクトになるため、小型浴槽であることが多い。

  • シャワー式
    シャワーで全身を温めながら、ドーム内で洗身もできる方式。湯につかるタイプと比べ「湯を貯める必要がなく手間いらず」「新湯式と同様に衛生的」「仰臥位入浴(ストレッチャータイプ)の場合はフルフラット姿勢で入浴できる」といったメリットがある。

POINT.5  最も解決したい課題は何か、整理する。

上記のポイントの他にも、予算や設備条件などのさまざまな検討要素があり、すべての条件を満たせないこともあります。
(例)寝た姿勢であればより重度の方が入浴できるが、より多くの設置スペースが必要になる、等。
一番大切な事は、導入により解決したい課題は何かを振り返り、優先順位づけをすることです。

弊社では課題の整理をはじめ、浴槽選びのお手伝いをしております。
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