(4)関節可動域の測定方法(股関節・膝関節・足関節・足部)
[股関節]屈曲と伸展
股関節に関する矢状面の運動で、体幹と大腿が近づく動きが屈曲、遠ざかる動きが伸展である。
〈基本軸〉体幹と平行な線
〈移動軸〉大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線)
※屈曲は背臥位かつ膝屈曲位、伸展は腹臥位かつ膝伸展位で行う。
〈参考可動域〉屈曲:125° 伸展:15°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)
[股関節]外転と内転
股関節に関する前額面の運動で、基本軸から遠ざかる動きが外転、近づく動きが内転である。
〈基本軸〉両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線
〈移動軸〉大腿中央線(上前腸骨棘より膝蓋骨中心を結ぶ線)
※内転の場合は、反対側の下肢を屈曲挙上してその下を通して内転させる。
〈参考可動域〉外転:45° 内転:20°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)
[股関節]外旋と内旋
股関節に関する水平面の運動で、大腿骨を中心として外方に回旋する動きが外旋、内方に回旋する動きが内旋である。
〈基本軸〉膝蓋骨より下ろした垂直線
〈移動軸〉下腿中央線(膝蓋骨中心より足関節内外果中央を結ぶ線)
※背臥位かつ股関節および膝関節90°屈曲位で行う。
〈参考可動域〉外旋:45° 内旋:45°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)
[膝関節]屈曲と伸展
膝関節に関する矢状面の運動で、大腿と下腿が近づく動きが屈曲、遠ざかる動きが伸展である。
〈基本軸〉大腿骨
〈移動軸〉腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)
※屈曲は股関節屈曲位で行う。
〈参考可動域〉屈曲:130° 伸展:0°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)
[足関節・足部]外転と内転
足関節・足部に関する横断面の運動で、基本軸から遠ざかる動きが外転、近づく動きが内転である。
〈基本軸〉第2中足骨長軸
〈移動軸〉第2中足骨長軸
※膝屈曲位かつ底背屈0°で行う。
〈参考可動域〉外転:10° 内転:20°
〈推奨されるゴニオメーター〉プラスチック角度計
[足関節・足部]背屈と底屈
足関節・足部に関する矢状面の運動で、足背への動きが背屈、足底への動きが底屈である。
〈基本軸〉矢状面における腓骨長軸への垂直線
〈移動軸〉足底面
※膝屈曲位で行う。
〈参考可動域〉背屈:20° 底屈:45°
〈推奨されるゴニオメーター〉軸の長いゴニオメーター(例:東大型角度計、神中式角度計)、またはプラスチック角度計