特別養護老人ホーム アンミッコ様

– 貴施設の理念をお聞かせください
特養は人生の最終章を過ごす場所。その最終章を「暖かな家」のような場所でハッピーに迎えていただくために、ご利用者の趣味や嗜好、生活リズムを大切にしたサービスをお届けしています。日常のなかで幸せを感じていただくために、排泄や食事、入浴のクオリティにはこだわっています。噛む、飲み込むことが困難な方には食べる喜びを感じていただけるソフト食※を提供。また一人ひとりの介護記録に基づく排泄ケアの実践で、「おむつを極力使わないケア」を実現しています。
※口溶けがよく飲み込みやすいが、盛り付けの見た目や味わいは常食と変わらず楽しめる食事

– 浴室はどのような考え方で作られたのでしょうか
当施設を開設する前、全国150ほどの浴室を視察しました。そこで感じたのは、介助スタッフの負担が軽減できなければ、ご利用者の身体機能が低下した後も入浴を提供し続けるのは難しいということでした。そのため、スタッフの負担軽減にはこだわり、入浴される方の安全性も重視しました。当施設には身体機能が低下しても入浴を楽しんでいただけるよう、3タイプの浴槽を設置しています。仰臥位浴槽の浴室は3m×3mの大型ユニットバス。壁面はタイルではなくパネルを使用しているので浴室内を温かく保て、室温の急激な変化による血管収縮で、血圧や脈拍が上がるヒートショックを予防できます。

– 入浴サービスはどのように提供されていますか
入浴は毎日、基本マンツーマンで提供しています。通常だと1ユニットにつき10名のご利用者を2〜3名のスタッフで見守るかたちになりますが、入浴の時間だけは1対1なので、ゆとりをもって対応できるとスタッフにも好評です。3種類の浴槽をご利用者のADLレベルに応じて使い分けていますが、可動式ユニットバスは自力でまたいで入浴できる方、パンジーiは座位姿勢がとれる方に使っていただいています。開設当初からの平均要介護度は3.3から 4に変化していますが、現在パンジーiは6割以上の方にご利用いただいており、寝たきりでない限り、かなり幅広い身体状況に対応できる浴槽です。